その消費行動は危険💦購入する側にも悪影響あり!映画『(THE TRUE COST)ザ・トゥルー・コスト』で知るファストファッションの裏側 今から始める7つのこと

ファストファッションと環境問題

環境問題は年々深刻な状況です。毎年やってくる体験したことのない規模の台風、大規模な災害、大量のゴミが漂う海洋問題、その他の食料問題など。世界中の様々な業界に大きな影響がでていて、環境問題に全く関係のない人間はこの世に存在しないと思います。そんな環境問題悪化の一因であるファッション業界の裏側を描いた『(THE TRUE COST)ザ・トゥルー・コスト』をご存じでしょうか。ファッション業界に約20年程携わった筆者がリアルなファストファッションの裏側をまじえて解説します。

ファストファッションの裏側

こうやって商品はつくられる

  1. 52週(毎週新商品を入荷させる年間計画)をたてる
  2. シーズンがはじまり売れ筋が見えると大量生産する
  3. 売れない商品は本セールまでに値下げして売りさばく
  4. 店頭をつくるためにサブアイテムもつくる
  5. 売れ残った商品はお金をかけて廃棄orアウトレット店or業者にいく

1.年間計画である『52週分の商品』をつくる→毎週新しい商品を並べて消費者を飽きさせない。毎週新商品を並べて店舗の鮮度を保つ。たくさん商品を買ってもらう戦略の一つ。
2.シーズンはじまり売れ筋見えると大量生産する→売れ始めてから大量追加(ただし市場のニーズに間に合わない時もあり、その際は過剰在庫になる)
3.売れない商品は本セールまでに値下げして売りさばく→シーズンを繰り越して在庫を持ち続けられないため、シーズン中に売らなければならない。そのため売れ行きが良くない商品は早めに値下げして売ります。
4.店頭をつくるためにサブアイテムもつくる→商品スカスカだと売れ筋も売れなくなり、トータルコーデがないと売れません。更に店舗の大きさによっては店頭を埋めるためにアイテム数が必要な場合もあります。トータルコーデで見せるために、店頭を埋めるためにサブアイテムや売れにくい商品まで、頭の先から足の先まで揃えて置く必要があります。

5.売れ残った商品は…記憶に新しいところでは、バー〇〇ーがブランドイメージを守るため売れ残った大量商品を焼却廃棄していることが話題となり、環境問題悪化として注目されていました。上場している大手アパレル会社から中小アパレルまで転職しましたが、どこもお金をかけて普通に廃棄していました。インターネットが普及し、通販で新たなマーケットが生まれ、アウトレットモールや買い取り業者が現れて新しい販路が生まれました。アウトレットでは、通常店舗と同じく店頭を埋めるためと利益を取るため、アウトレット専用の商品をつくって売っています。素材の良い縫製もキレイなお買い得商品は少ないように感じます。

 



なぜ服はこんなにも安いのか

工賃が安い海外で大量につくっているから安い

現地で働く労働者が『最低賃金で長時間労働すること』で安い洋服をつくることが実現されます。安い給料、劣悪な環境や条件でも働かないと生きていけない人々がいるおかげで、先進国に住む人間は安い洋服を買うことができます(全ての会社ではないですが)Tシャツ500円~1,500円、ボトム1,500~3,000円で販売するにはこんな背景があります。

海外で作ったあと、船や航空便で日本に輸入されます。日本で販売価格1000円のTシャツは、材料費・加工賃・生産者の人件費・輸送費・中間卸業者・販売業者が、それぞれどこでいくらの利益を得て、最終的に1000円で売ることができるのでしょうか?考えただけでも恐ろしいですよね。

材料費が安い化学繊維をつかう

安い素材を使って洋服をつくる。安い商品はピリング(毛玉)ができやすかったり、粗悪素材だったりと、長く着用できずにゴミになります。化学繊維は生分解されるのに200年以上かかると言われており、埋立地で大量に捨てられ今も有害ガスを出し続けています。

 



大量生産で単価を下げているから安い

大量生産するために、コットン農家は大量の薬品や遺伝子組み換え種を使うことを強いられます。大量の薬品を使う事で土壌汚染され、そこに住む人々の健康が最初に脅かされます。汚染された水は川を流れ海に流れ着き、その海は世界中でつながっています。大量生産する事で工場や国は潤いますが、そこで買い叩かれた現場の労働者が潤うことはありません。こうして作られた安い洋服を私たち消費者が何の疑問もなく購入しています。物が大量にあり過ぎることや安すぎる洋服の価格に、消費者が慣れすぎてしまっているのかもしれません。

 



購入する側にも悪影響あり!

子供にも広がる有害な「物質主義」、対策のカギは感謝の心

https://forbesjapan.com/articles/detail/23725 Forbes JAPANより

映画内でも語られていますが、20年の研究で分かったファストファッションで安価な物を大量に購入し続け人々は『物質主義』(金・印象・地位・持ち物)に価値観を見出すようになりより多くの物を求め心は不安になりやすい。心の病や精神衛生上の問題になっている。『物質主義』 は、『人生の幸せ』はよりたくさんの物を購入(所有)することでしか感じられなくなる

物質主義(ぶっしつしゅぎ)とは、物質的・即物的なものごとを、他のものごとよりも優先させる態度のこと。唯物論とも言う[1][2]。ここで言う「物質」とは比喩的な表現であり、人により解釈の幅があるが、おおむね「衣食住」のことや、いわゆる”経済的”なこと、すなわち「財貨」・「金銭」・「物品」の獲得・所有・占有・使用などのことを指していることが多い。特にこの場合は経済的物質主義: economic materialism)、物質中心主義とも言う。物質主義(ぶっしつしゅぎ)とは、物質的・即物的なものごとを、他のものごとよりも優先させる態度のこと。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%A9%E8%B3%AA%E4%B8%BB%E7%BE%A9 Wikipediaより引用

『ザ・トゥルー・コスト』

少し前の映画ですが、アパレルの裏側を切り取られた映画です。筆者は洋服が大好きですが、昔のような買い方はしなくなりました。そして何か物を買うときにはよく考えるようにもなりました。(小・中学生には難しい映画かもしれません。高校生・大学生くらいになれば理解できるかと思います。)

 



今から始める7つのこと

  1. 本当に今必要な服?⇒結果的に無駄な物を増やさないように購入する際によく考える
  2. 長く着られる素材とデザイン?⇒左内側に素材タグがあるのでチェックする。コットン、麻、ウールなど出来るだけ天然素材を選ぶ(コットン+ポリエステルのような化繊が混ざっているとピリング(毛玉)ができやすい。安価な商品はポリエステルが含まれてている事が多い)
  3. 着回し出来るアイテム?⇒自分のクローゼットの中は分かるようにしておく
  4. 販売元の会社は信頼できる?⇒フェアトレード・オーガニックコットンを推奨している会社だといいですね
  5. どこで作られた製品?⇒日本製を選ぶことは輸送エネルギー減少や日本経済的を後押しする選択になる
  6. トレンドにのせられていないか?⇒自分に似合うものを選ぶようにする、モデル着用商品は企業が売りたい商品です
  7. アップサイクル製品、古着、リサイクルショップで商品を選んでみる

※ただ”気にしすぎる”と身動きが取れなくなり、人生が急につまらないものになってしまいます。必要に応じて商品を選択していきましょう♪

最後に

買う側がどんな会社の商品を選んで購入するのか、適正な商品や価格が選べる目を持つことは重要です。とにかく安い物やトレンドの物ばかり追いかけていると、ワンシーズンで着れなくなるアイテムや粗悪な素材で捨てる事になったりと、結果的に環境にも経済的にも豊になれません。環境問題や未来のあなたにとっても、より良い結果になるといいですね♪

ザ・トゥルー・コストの詳細はこちら→  https://unitedpeople.jp/truecost/

環境庁・サスティナブルファッション→ https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/

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